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PRESS RELEASEプレス情報

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2007年11月14日 中国新聞

送水トンネル点検着手
11本対象 崩落防止へ広島県
5年毎定期実施

2007年11月14日 中国新聞 広島県は13日、県営送水トンネルの一斉点検を始めた。昨年8月の崩落事故を受け、計13本のうち事故時にチェックした2本を除く11本を順次、調べる。まず大竹市の弥栄トンネルで着手し、来年度中に全トンネルで完了予定。その後も5年に1回のペースで実施し、事故防止を図る。
 弥栄トンネルは全長約2.8kmあり、午前8時に送水を止めて点検開始。建設コンサルタントの作業員ら約30人が内部に入り、高さ約2.2m、幅約1.8mの馬てい形の内壁をハンマーでたたいて音を確かめたり、ひび割れを目視で確認したりした。レーダーを積んだ伝道者も走らせ、電磁波を利用してトンネル上部にすき間がないかを調べた。
 大竹、廿日市市の計約3万8千世帯の上水供給に影響が出ないよう、送水停止は8時間に限定。15日と20日にも送水を止め、内壁の画像を撮影したり、ファイバースコープで壁面内部を調べたりする。
 30日には、呉、江田島市、大崎上島町に上水と工業用水を供給する戸坂系2号(広島市東区温品-海田町)、同3号(海田町)、休山工水(呉市)の3本の点検に着手。送水を連続35時間停止し、集中的な作業で上水の供給に影響が出ないようにする。
 県は残る7本についても来年度中に点検する方針で、3年間の総事業費は約2億6千万円を見込む。公営企業部は、定期的に続ける内部点検の結果をデータベース化し、事故予防を図る方針である。
 昨年八月の安芸地区内の崩落事故では「地下水によりできたすき間に、断層の影響で破砕した岩が崩れ、トンネルの天井に落ちた」との見解が示された。県は、弥栄と戸坂系2号、尾道(尾道市)の3本で計6ヵ所の断層を確認。休山工水、尾道、糸崎(三原市)の3本でも計6ヵ所に「断層の疑いがある」と結論付けている。